かつらけいのすけの 熱唱カラオケ塾 2004年1月号

1月は

さて、1月は邦楽のCDが売れる月なのだそうです。お年玉をもらった中高生がCDを買うから?それもあるかも知れませんが、演歌なども売り上げが伸びるそうなんです。感のいい方なら、もうお分かりいただけましたね。そうなんです。大晦日の巨大番組「紅白歌合戦」の効果なんです。音楽番組が少なくなった昨今、大人が見る音楽番組は皆無に近いと言える現状で、多くの人が「紅白」を楽しみにしているのでしょう。そこで、今回はその「紅白」から選曲してみようかと考えました。

紅白歌合戦

2003年の「紅白歌合戦」は、ヒット曲が少ない昨年の傾向を反映して過去のヒット曲、カバー曲など、いわゆる「懐メロ(?)」がズラリと並びました。最近のヒット曲に疎い、あるいは取っつきにくいと感じる世代にはうれしい選曲です。そして、若い世代にとっても「よい歌は、やっぱりよい」と感じるそうです。
そこで、「見上げてごらん夜の星を」を選びました。大晦日は平井堅さんが歌いましたので、若いおねいちゃんも「よい歌は、やっぱりよいな!」と感じたに違いありません。熱唱カラオケ塾では、ひとひねり(?)して、オリジナルの坂本九さんバージョンで、明るく、そしてしっとりといってみたいと思います。

カバー曲の大流行?

最近は、昔の楽曲をカバーしてリリースするのが大流行。で、前述のように「紅白」も「懐メロ(?)」のオンパレードになってしまったのでしょうが、特に「見上げてごらん夜の星を」は何かと話題になっているような気がします。と、いうのも、同曲は平井堅をはじめ、KinKi Kidsの堂本剛、鈴木雅之、DEEN、etc.、そしてなんとMEGUMIまで、ホントに多くの歌手がカバーしていますが、平井堅がリリースした「見上げてごらん夜の星を」は、オリジナルの原盤から最新の技術でデジタル処理して九ちゃんの声だけを抽出し、そのボーカルに合わせて平井堅が歌いあげたとのことなのです。さらにプロモーションビデオでも、古い複数の映像を集め、CG処理して九ちゃんのタキシードの色を変えたり、マイクの形を変えたりして平井堅との「夢のデュエット」を実現しているというのです。これは、聞いてみたい、見てみたいと思いますよね。

見上げてごらん夜の星を〜Aメロっていうか・・

この曲は全体レンジ(音域)もそう高くなく、高い音が苦手な人も半音1つか2つも下げれば十分に歌えそうです。難しいリズムもなく、覚えやすく美しいメロディーがくり返され、誰にでも歌えそうなだけに、うまく歌いこなすのは至難の業かも知れません。特に九ちゃんの発声には、邦楽(古来からの日本音楽の意)の要素が色濃く感じられます。あの「ちょっとつぶした感じ」や「ちょっとしぼった感じ」「独特なビブラート」は、彼の憧れたエルビス・プレスリーと邦楽のクロスオーバーから生まれたものと想われ、エキゾチックな魅力を感じます。さらに、強弱の付け方がなんともエッチな感じで、「さすがだなあ」と思わずにはいられません。ぜひぜひ、このあたりはよく聞いて研究していただきたいところです。
もう一つ、アドバイスとして、この曲は「応援歌」なんですね。明るく歌っていただきたい。九ちゃんはいつもニコニコしながら歌っていたように思います。眉間にシワよせては絶対にダメです(それはこの曲に限らずですが)。また、感情を込めるのはいいのですが、目を閉じるのは厳禁と考えた方がいいと思います。大きく目を開いて、明るくニコニコ笑いながら、それでいてちょっぴりエッチに。ってそれじゃ変態かな?

手をつなごうボクと〜Bメロ

間奏の後のこのパートは音程を正確にとるようにしっかり練習して下さい。以外に難しいです。「手をつなごう」を少し強く、「ボクと」を少し弱く、「追いかけよう」をまた少し強く、「夢を」を少し弱く、と強弱をつけて歌うとよいでしょう。「二人なら 苦しくなんかないさ」は、クレッシェンドするように(だんだん強く)歌うようにしますが、音程には特に注意して下さい。難しいメロディーですね。「苦しくなんか」は「くるしくなはんか」と発音するようにするとよいでしょう。このやり方をこのカラオケ塾のコーナーでは「アッコさん風方式(?)」などと呼んでいますが、バックナンバーの「クリスマス・イブ」なども参考にして下さい。
1度しか出てこないこのメロディーはとっても切ないのですが、ここでも大きく目を開いて、明るくニコニコ笑いながら、それでいてちょっぴりエッチに切なく歌っていただきたいと思います。難しいかも知れませんがチャレンジしてみてください。

この曲の構成は・・

この曲、実は「サビ始まり」なんですね。そして実はAメロが存在しない。つまり、
サビ1・サビ2・間奏・Bメロ・サビ3・サビ4
という構成だと考えると、分かりやすく、かつ歌いやすいのではないでしょうか。サビが4回もあるので、飽きないように強弱をつけるといいですね。例えば「サビ1」は強めにスタッカート(音を短く切って)気味に、「サビ2」を少し柔らかくレガート(音をなめらかにつなげて)気味に、といった具合です。自分なりに考えて、いろいろ試してください。その考え方としては、おねいちゃんをデートに誘う時の計画と基本的に同じです。1回目のデートであまり力が入りすぎていても引いてしまいます。かといって、しっかりキャッチしていなければいけませんね。2回目のデートはちょっとひねって・・と計画するでしょ?それです。パソカラホーダイなら何度も練習できますね。いろいろ試してみてください。

坂本九さんのこと

坂本九さんといえば、やはり「上を向いて歩こう」が一番有名でしょう。この世界的なヒット曲は、まずNHKのバラエティ番組「夢で逢いましょう」(エドサリバンショーや、アンディウィリアムスショーの影響で、日本的につくったものと言われています)の「今月の歌」として発表されたのが1961(昭和36)年10月。その美しいメロディーと九ちゃんの人なつっこい笑顔で、発売と同時にヒットし、その年の「紅白歌合戦」に初出場。発売があと1ヵ月早かったら、レコード大賞もこの曲だったろうと言われたそうです。そしてその後「SUKIYAKI」のタイトルで 1963(昭和38)年06月17日に全米ヒットチャートの『ビルボード』で1位を獲得しました。日本で唯一、全米No.1になった歌手なんですね。「見上げてごらん夜の星を」は、その年の大ヒットでした。そして九ちゃんが、あの痛ましい日航機墜落事故で亡くなったのは1985(昭和60)年8月12日。享年43才でした。九ちゃんがそんな壮絶な事故死を遂げるのはとてもショックでしたが、大スターの九ちゃんは天に召されて、本物のお星さまになったんだな。などとも思いました。そんなことを想いながら「見上げてごらん夜の星を」を聞くと目頭が熱くなります。「〜ボクらのように名もない星が ささやかな幸せを祈ってる〜」星になった九ちゃんが私たちの幸せを祈ってくれている・・・ああ、もうダメです。

さあ、ロマンチックな応援歌である「見上げてごらん夜の星を」。明るくニコニコ笑いながら、それでいてちょっぴりエッチに、パソカラホーダイで初春を歌い初めしようではありませんか!