かつらけいのすけの 熱唱カラオケ塾 2004年2月号

白い恋人達/桑田佳祐

2月になりました。風邪などにやられたりしてませんか? 2月はバレンタイン・デーもありますし、「しっとりと冬らしいバラードを!」と考えて「白い恋人達/桑田佳祐」を選んでみました。 脅かすわけじゃありませんが、かーなり難しいと思います。 そのかわり、うまく歌いこなせば「おねいちゃんの拍手喝采」の雨あられ(?)も夢ではありません。それでこそ練習のしがいもあるってもんです。それでは、いってみましょう。

桑田さんって始末が悪い?

実は桑田さん、声がすごく高いのです。独特の太い声質で低く聞こえているのでしょうが、これが!かなり高い!のです。多くの歌手は声のレンジが広く、かつ高い声が出る人が多いのも当然として、昨年10月号の「直太朗君」にしても12月号の「達郎さん」にしても、実際に高い声に聞こえているからまだいいのです。が、桑田さんの場合は「誰でも歌えそうな音域」に聞こえているから始末が悪いです。そしてさらに、リズムが思っている以上に難しいというのもあります。桑田さん独特のキャラクターというのか、いつもがばっと「大股開き」で叫んでいる!ってな印象で、強力なリズム感などみじんも見せません。つまりは「『おっさんノリ』をしながら、さらりとかっこよいリズムで歌ってしまう。」という悪行をやらかしているのです。とてもそういう「難しいリズム」には感じさせないのでホントに始末が悪いのです。で「なんだかしっくりこないんだよなあ」なんて事にもなってしまうのです。このカラオケ塾でこれまでに、サザンオールスターズ及び桑田佳祐氏の曲が選ばれなかった理由はそこにもあったのかも知れないと思います。そんなこんなで何度も候補には上がるものの、これまで二の足状態でした。

「歌ってよし」「聴いてよし」

今回取り上げました「白い恋人達/桑田佳祐」も、レンジが広く、高く、リズムも難しいポイントがあり、ファルセットあり、さらにシャウトあり。難しいです。が、エンディング近くのダメ押しの大サビのカッコよさったらありません。さすがです。「歌ってよし」「聴いてよし」とはこういう曲をいうのでしょう。いずれにしろ歌いがいのある、練習しがいのある曲であることは間違いありません。思い切って挑戦してみましょう。

先ずは「白い恋人達」について

北海道には「白い恋人」っていう有名なお菓子がありますが、こちらの「白い恋人達」は初リリースがシングルで2001年10月でした。その夏の「波乗りジョニー」に続いてコカ・コーラのCMとして使われ、大ヒットしました。CMでは雪の中でピアノを弾いている桑田氏の姿が印象的で、この曲のサビを聞いたことのない人はいないでしょう。2002年11月リリースの2枚組アルバム「TOP OF THE POPS/桑田佳祐」にも収録されていて、パソカラホーダイにおいても根強い人気を保っています。

この曲では桑田佳祐氏自身が、エレキギター、エレキベース、キーボードなど、ほとんどの楽器を演奏しているそうです。ホントにマルチプレーヤーなんですね。氏によると、サビのメロディはジョン・レノン、ギターソロはポール・マッカートニー、コーラスやベースラインはブライアン・ウィルソンなんだそうです。そう言われると「ほほう、なるほどね」なのですが・・・ジョン・レノンとポール・マッカートニーは、あまりに有名人なので皆さんご存じでしょうが、ブライアン・ウィルソンについては「誰それ?」って方もおられるかも知れませんね。おねいちゃんに知ったかぶりするためにも、ブライアン・ウィルソンについて、ほんの少しお勉強しておきましょうか。

今月のうんちくはブライアン・ウィルソン

ブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズのリーダーでした。ビーチボーイズといえば「サーフミュージックの代表」という印象をお持ちのの方も多いでしょうが、ウエストコースト・ロックの生みの親だと言っても過言ではないと思います。1961年のデビュー以来30年以上活躍を続けたロック界の超長寿バンドです。 ビーチボーイズはヴォーカル・ハーモニーを重視することで、その後のウエストコースト・ロックに決定的な影響を与えたのでした。それまでボーカルのなかったサーフ・ミュージックの演奏にフォー・フレッシュメン(※注1)的なコーラスを乗せるという革命を成し遂げたのだ。とも言われています。ちなみに、ブライアン・ウィルソン自身はサーフィンはしなかったそうです。さて、これ、うんちくあったかどうか?(「うんちく王(※注2)」風に読んでいただけるとありがたいのですが)

(※注1)フォー・フレッシュメン:1950年代からジャズコーラスの一つのスタイルを確立させたコーラスグループ。 華麗かつ重厚なハーモニーに加え、メンバー全員が楽器もこなし、大きな人気と評価を誇った。
(※注2)うんちく王:テレビ朝日金曜深夜放送「虎の門」の月1人気企画。伊集院光・山田五郎・上田晋也・なぎら健壱・松尾貴史らが毎回壮絶なうんちくバトルを繰り広げる。

歌い出しから16分音符のシンコペーション

夜に向かって雪が降り積もると〜の「よーるにむかって〜」の「よー」が16分音符くって、シンコペーションになっています。このページでおなじみになりました、いつもの方法で説明しますね。

            
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手拍子などしてリズムを感じながらゆっくりと練習して下さい。矢印が付いて赤色になってる文字のところにビートがあり、そこに手拍子がくるようにします。今まで何度も説明してきましたので、バックナンバーなども参考にしてください。
ここは想像以上に重要なポイントなので、何度もよく聞いて、何気にさらりと歌えるよう練習しましょう。

「涙で心の灯を消して〜」では「こーころ」の「こー」でファルセット(裏声)を使います。ファルセットについては2002年10月号の「さくら(独唱)/森山直太朗」で詳しく説明しました。もう一度バックナンバーを読んでみて下さい。

「外はため息さえ凍りついて〜」の「そーとはためーいき〜」も同様に16分音符分くいます。「あの赤レンガの〜」の「レー」もファルセットでいきましょう。うまくきまればカッコイイですよ。

今宵 涙こらえて奏でる〜サビ

Aメロの最後の「Woo」は、思い切りやさしーーいファルセットで決めて下さい。そうすることで、次のサビが一段と冴えます。 そしてその誰もが知ってるサビですが、シンコペーションがふんだんに出てくるので例によって説明しますね。

1 o o きゃ
                                                           

「今も忘れない恋の歌」の最後の「たー」もファルセットできめましょう。ここもやさしくね。
「雪よもう一度だけこのときめきをCelebrate(セレブレイト)」は「を」を発音せず、「このときめーきセーレブレーイ」とした方がすっきり歌いやすいと思います。参考にして下さい。

間奏後のスキャット


主にジャズなどで歌詞のかわりに「ダバダ・ディビディ」といった意味のない言葉で即興的に歌うことを「スキャット」といいます。4小節のギターソロの後、「ダバダ・ダバダ・・」と8小節のスキャットが出てきます。そんなに難しくないと思うので是非挑戦してみて下さい。歌詞というほどのものじゃないですが、一応載せておきますね。

ウーイェイ!ダバダ・ダバダ・ダバダダ
ダバダ・ダバダ・ダバダーアー・ダバダーダー・アーアー・アーアー
ウーウィーウー・ウーウィーウー・ウーダバダー・ダバダー

前半4小節が少し難しく感じるなら、後半の4小節だけでもカッコイイかも知れません。「 ウーウィーウー」からです。間奏を含めてこれを全く歌わないで待っていると、全部で12小節あり、40秒近く黙っているのはかえって手持ち無沙汰ですよね。見よう見まねで試してみてください。パソカラホーダイなら何度も試せますね。

そしてダメ押しの大サビ

もう一度「今宵涙こらえて奏でる愛のSerenade(セレネイド)〜」のサビがくり返され、さらに「White Love, Ah・・永遠(とわ)のWhite Love・・My Love」と連呼され、充分に盛り上がった後、突然静かになったかと思うと「ただ逢いたくて、もうせつなくて〜」の大サビが登場します。ぞくぞくしますね。当然ファルセットで!やさしくやさしく歌いましょう。充分にためておいて・・・そして最後の「なみだーーー」はシャウトして絶叫しましょう。うまくきまれば、「おねいちゃんの拍手喝采」の雨あられ!?。頑張って練習しましょう。

目標は「おねいちゃんの拍手喝采」の雨あられ!?? パソカラホーダイで思い切り練習しましょう。